あらびあです。
以前に「これから『ヤバい経済学』シリーズをはじめます!」と言って早2ヶ月弱。
早速今回は番外編です。
「通常版書かへんのかい!」といったど正論が飛んできそうですが、タイムリーな話なので許してください!何でもしますから!(何でもするとは文字数)
というのは今年、令和元年10月に消費増税が行われます。
ご存知の通り8%から10%に引き上げられるんですよね。
「たった2%じゃん」と思うかもしれませんが、これがマズい。
具体的には何が「マズい」のかを今回は徹底的に書いていきますので最後までお付き合いいただけると幸いです。
消費増税を行なってはいけない5つの理由
- 実は、日本は世界一お金持ちだから
- 消費増税すると逆に税収が減るから
- 税収が減るだけなく国が貧しくなるから
- 増税で投資が減ることこそが 次世代への負担になるから
- そもそも増税は財源確保の手段ではないから
1.実は、日本は世界一お金持ちだから
???「国の借金ガー!」
はい出たー!w
債務だけに着目して資産の存在を無かったことにする人たち。
キミはバランスシートが分からないのかい?
と言いたいところですが、これは意図的なモノでしょう。
政府を家計で例えるのは良くないのです。が、例えます。
例えばあなたに50万円の借金があると、する。
返済期限は3年後。
友達に借りたので無利子。
ちょうど半年前に借りた。
だけどお礼に高いお寿司でもご馳走しようと考えている。
その友達は海外出張で帰ってくるのがちょうど3年後。
だから「まだ返さないでくれ。帰国したときがいい」と言われている。
お金を借りて半年が経ち、頑張って仕事をしつつ、支出も減らして50万円がすでに溜まった。
それに加えて、もともと貯めていた30万円の預金も別にある。
さらに今後も毎月給料のうち5万を貯蓄に回すことにしている。
だが会社の同期たちには「お前借金してるの人として終わってるな、返せよ」といつも叩かれる。
これ、意味わからんくないですか?
これを日本政府に置き換えると
・1000兆円の資産がある
・しかも税収という不労所得がある
といった状況です。
どこに増税する必要が?
お金に困ってまへんやん?
借金も返せますやん?
(政府は急いで全額返済する必要ナシ)
そのうえ政府は人と違って寿命がありまへんし、万が一すぐに返す必要がある場合は国債刷って資金調達できまんのや。
どこに消費税を上げる必要があるのか?
2.消費増税すると逆に税収が減るから
衝撃の事実。
こんな昔話があります。
かつてこの国の総理大臣を務めたハシリューこと橋本龍太郎という男が3%だった消費税を5%に上げてしまった。これも2%の増税。
ですが、ですがですよ、税収は増税前より減ってしまったのでした。
めでたしめでたし。
後で詳しく述べますが、必ずしも増税すると税収が減る、というワケではありません。
デフレ傾向のときに増税したので泣きっ面に蜂だったわけです。
3.税収が減るだけなく国が貧しくなるから
消費税が上がると商品の総額が上がりますよね。
増税分、モノの値段が押し上げられちゃう。
(モノの価格+上がった消費税=合計)
モノの値段が上がっているのでインフレと思うかもしれません。が、賃金が上がっていないので歪みに歪んだインフレ。というかデフレです。
(どっちやねん!!!!)
結論は、やはりデフレ。
・消費税のせいで物の値段の合計が押し上げられた
・でも給料は増えていない
こんな状況ならあなたの消費は増えますか?
お金を今までよりもっと使おうとしますか?
しませんよね。みんなそう。
国民が揃って消費しなくなる。
日本円というお金を手放さなくなる。
市場に出回るお金の総量が減る。
するとお金の価値が上がる。
そうです、完全にデフレ。
個人消費は我が国のGDPの約6割を占めるので、ぼくらがお金を使わなくなれば日本経済に大打撃。
そしたら、当たり前ですが、国民が支払う消費税の総額が減りますよね。ということは税収が減ります。
税率は上がったのに、税収が減るという皮肉なお話でした。
4.増税で投資が減ることこそが次世代への負担になるから
先ほどは「消費」のお話でしたが、今回は「投資」のお話。
ここでいう『投資』とは「広い意味での投資」でして民間企業のソレも政府のソレも含めます。
GDPの構成要素について
「GDPとはなんぞや」って話は後日噛み砕いてやりますが、式で表すと下記の通りになります。
GDP=C +I +G +(EX-IM)
一見、訳がわかりませんが、日本語にするとカンタン。
Cー個人消費
ぼくらが使ったお金。GDPの約6割を占めるとお話しましたね。
Iー設備投資
この章のメイントピック。企業が設備に使ったお金です。GDPに占める割合は20%弱。
Gー政府支出
読んだ字の如く政府が使ったお金。
公共事業や教育投資、バラマキなど。
こちらもトピックに入ります。
EXー輸出
IMー輸入
ゆえに(EX-IM)は(前者がプラスであれば)輸出で儲けたお金、ということになりますね。(純輸出)
これらを全て足したのがGDPでございます。
そもそも、ぼくらはどうして素晴らしいインフラを享受できているのか
ということを考える必要があります。
率直に言ってしまえば、人生の大先輩方が当時に積極的に投資をしてくれたからであります。
勘のいい方ならすでに推測できると思いますが、要はぼくらが今投資しなかったら次世代が、自分たちの年金を払ってくれる子達が(そのときに年金というシステムがあるか知らんが)インフラが整わない環境で生きていかなければならないことを意味します。
なんで今の恵まれた環境を「当たり前だ」と思っているお花畑さんたちが
「国の借金は次世代へのツケ」
「無駄な公共事業けしからん」
と平気で言ってしまうワケであります。
それこそデフレ化では設備投資や政府支出が効くので、ガッツリやって経済成長させて税収増やして将来の環境を整えればいいだけでございます。一石三鳥でございますね。
5.そもそも増税は財源確保の手段ではないから
経済学者や経済評論家(自称含む)をはじめ、ほとんどの人が「増税は財源確保の手段」と思っているのであります。
もう呆れるしかないでやんす。
実は税率の上げ下げは物価をコントロールするための手段に過ぎないのであります。
いわゆるMMT(現代貨幣議論)がバスる以前にこれを主張しているのは中野剛志センセイと、僭越ながらワタクシあらびあくらいでございました。
では、なぜ増税は物価を調査するためのツールなのでしょう?
先ほど増税して税収が減ったとぼくは言いました。
お金を集めて、お金が減る。
これはGDPの約6割を占める個人消費が減り、その結果GDPが伸びなくなります。
その結果、消費税や法人税から得られる税収が大幅にダウンする。
これは3章でお話しした通りですね。
そうしたら逆に消費減税をすればどうなる?
個人消費が旺盛になり税収が増えます。
単純な話、こうですよね。増税した場合と反対の状況になる。
であれば需要不足の時は消費税を下げればよくて、
反対に需要過多の時は消費税を上げればいいわけです。
需要不足の状態を「デフレ」といい、
需要過多の状態を「インフレ」といいます。
つまり消費税は総需要の調整のための手段であり、結果として物価調整のためのツールとして有効ということです。
自民党は「日本国をぶっ壊す党」なのか
今、日本は「デフレ」です。
(さほどきちんと定義できていませんが)
なのに、なのにですよ、日本は消費税を引き上げようとしているわけです。
「日本国をぶっ壊す!」
こんな声が聞こえてきそうですね。